創業五百四十余年 そばの香りと 暖簾の味を伝え
「やんごとなき御方より召されて、山鳥の尾張の国より都にまいりしは、室町時代花の御所の時なり」と家譜に伝える本家尾張屋。寛正六年(西暦一四六五年・応仁の乱の前年)に、菓子司として始まり次第に、そば処としても、京の町衆に親しまれるようになりました。
その味わいが、京の町で名高くなるにつれ、由緒ある寺院、宮家の方々にも、本家尾張屋のそばを好まれる方が多くなり、本願寺などからは「五色そば」と言われる美しく上品な彩りのそばの注文もよくあり、大きな重箱をもって買いにこられたものです。
また、江戸時代には、御用蕎麦司(いわゆる宮内庁御用達)をつとめ、宮中へ、そばをつくりに伺うこともしばしばありました |